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簿記3級の決算整理で重要な「貸倒引当金」。今回は貸倒引当金の設定方法、仕訳の具体例、決算整理の流れです。簿記試験対策に役立つ内容をまとめているので、ぜひ参考にしてください!
目次
貸倒引当金の基礎知識
決算時に売上債権の残高がある場合、翌期に貸倒れる可能性のある金額を見積もる必要があります。この見積額を「貸倒引当金」として設定します。
📌ポイント
✅ 売上債権(売掛金・受取手形)は回収する権利のある資産
✅ 実績率を基に貸倒れの見積額を計算
貸倒引当金の決算整理仕訳
例えば、期末の売掛金が1,000円で、実績率が2%の場合、貸倒見積額は 20円 となります。
(1)貸倒引当金の決算整理仕訳
決算整理では、以下の仕訳を行います。
(借)貸倒引当金繰入 20 /(貸)貸倒引当金 20
📌ポイント
✅ 「貸倒引当金繰入」は費用(損益計算書に計上)
✅ 「貸倒引当金」は資産の控除項目(貸借対照表に計上)
貸借対照表においては、以下のように表示されます。
項目 | 金額(円) |
---|---|
売掛金 | 1,000 |
貸倒引当金 | △20 |
回収可能見込額 | 980 |
貸倒れ発生時の仕訳(期中処理)
貸倒れが発生した場合の仕訳は、タイミングによって異なります。
(1)当期販売分の貸倒れ
(借)貸倒損失 xxx /(貸)売掛金 xxx
※決算整理前のため、貸倒引当金は使用しません。
(2)前期販売分の貸倒れ(貸倒引当金内)
(借)貸倒引当金 xxx /(貸)売掛金 xxx
※前期に貸倒引当金を設定済みなので、それを取り崩す。
(3)前期販売分の貸倒れ(貸倒引当金超過)
(借)貸倒引当金 xxx /(貸)売掛金 xxx
(借)貸倒損失 xxx /(貸)売掛金 xxx
※超過分は貸倒損失として処理。
貸倒引当金の差額補充(決算整理)
期末時点で貸倒引当金の残高が不足している場合、差額を補充する必要があります(差額補充法)。
📌計算式
貸倒引当金繰入 = 貸倒見積額 - 決算整理前の貸倒引当金残高
(例)補充仕訳
(借)貸倒引当金繰入 590 /(貸)貸倒引当金 590
貸借対照表と損益計算書には以下のように計上されます。
貸借対照表 | 金額(円) |
---|---|
売掛金 | 34,000 |
貸倒引当金 | △680 |
回収可能額 | 33,200 |
損益計算書 | 金額(円) |
---|---|
貸倒引当金繰入 | 590 |
まとめ
✔ 貸倒引当金は、貸倒れのリスクに備えるための見積り処理
✔ 決算整理仕訳で費用計上&資産の控除項目として計上
✔ 貸倒れ発生時の仕訳は、発生タイミングによって異なる
✔ 期末には、差額補充法を用いて適正な貸倒引当金を計上
簿記3級の試験では貸倒引当金の仕訳がよく出題されるため、仕組みを理解し、計算や仕訳をスムーズにできるようにしましょう!
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